空洞
氷鳥
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私とは空洞である
感情の一つも持たない機械仕掛けの人形
私とは空洞である
彼の行為の理由が私には理解できない
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私とは空洞である
彼はニンゲンの男性である なのに
私とは空洞である
彼に訊ねてもわからない
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転がり 注がれ 流す
転がり 注がれ 洗う
そんな単調な毎日
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彼の手により私はニンゲンへ近づいてゆく
じり じり じり
私の手によりめくられたページは増えてゆく
ひら ひら ひら
でも心は理解できないまま
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私はとある仕事を始めた
君と会うのは久しぶりです
君の微笑みに私も微笑み返す
君は頬染めた
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私とは 何か 空洞
私とは 何か 空洞
使われない私は 何か
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「好きだ」
君は告白し やけになって大笑いした
私にはわからない 答えが見つからない
だが君は一つだけ私にも答えられる問題をくれた
「私もだよ」
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夜の公園で君は私に感情をぶつけた
なぜ なぜ なぜ
なぜ なぜ なぜ
「それがどうしたというんだい」
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錯乱した君は繰り返す「ここから逃げよう」
「愛している」とも君は叫んだ。
「それはできないよ」私は優しく言った。
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私とは空洞である
感情の一つも持たない機械仕掛けの人形
何故泣くの いつでも使っていいのに
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彼の手により私はニンゲンへ近づいてゆく
じり じり じり
でも心は理解できないまま
でも愛は理解できないまま
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