537034 / 朝泡鈴菜
誰かが流したしずくたち彼女の目から
涙が一粒
ぽろりと
ぽろりと落ちる
言いようもない黒い感情
コトバの代わりに落ちる
何があったのか何を思ったのか
その一粒にこめられた思いとはなんだろうか
涙の後は笑っていいんだ
そう言いたくてたまらない
絶望のふちに立っていたであろう
あの子を救いたい
祈るばかりで何もできない
弱い自分 弱い心
涙がまたひとつ
またひとつ
他人のくせに
考えるのをやめられない
少し話せばいいのに
祈るだけなんて
ウサギのような目で
ぽとぽとぽとぽとと
泣き続ける少女
せきとめられないしずくたち
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